「ちゃんと仕事で使っているのに、なぜ否認(または一部否認)されるの?」
——その多くは“科目の選び方・証憑・按分・タイミング”が原因です。
以下は税務調査で特に質問・否認が出やすい5分野と、実務での防御ポイントです。
1位:交際費・会議費・福利厚生費の“取り違え”
どこが見られる?
「会議費で処理した飲食が、実質は接待(=交際費)」
「福利厚生費のつもりが、実態は特定者向けの接待」 と判断される点。
基準の要点
- 交際費の定義と福利厚生費の区分は国税庁通達が明確(社内慰安等は福利厚生費)。
- 飲食等費用は1人あたり1万円以下で一定の記載がある場合は交際費等から除外できる(令和6年3月31日以前は5,000円基準)。日付・相手先・人数・店名/所在地・金額の帳簿記載が必須。国税庁
防御ポイント(実務)
- 稟議・議題・出席者の業務関係を帳簿に残す。
- “会議費”で処理する場合でも軽飲食(昼食程度)にとどめ、接待性が出る内容は避ける。バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」+1
2位:旅費交通費・出張日当(観光混在/証憑薄い)
どこが見られる?
旅行・宿泊・日当が「通常必要な範囲」か、観光等の私的要素が混ざっていないか。国税庁
ポイント
防御ポイント(実務)
- 出張命令(目的・訪問先・行程)、成果メモ、アポメール等を保存。
- 観光や家族同伴分は明確に除外し、費用負担の線引きを残す。
多くのサイトに「年収別の目安表」がありますが、
- 住宅ローン控除を受けている
- 社会保険料控除・生命保険料控除が多い
- 医療費控除を使う
- 給与+副業など複数の所得がある
といった方は、“表の金額より上限が下がる”ケースが多いため注意が必要です。ふるさとチョイス+1
実務的なおすすめ
ギリギリを攻めず、少し控えめな金額にとどめるのが安全う。
ポータルサイトの「控除上限額シミュレーション」を必ず使う(年収・家族構成・控除状況を入力)ふるさとチョイス
3位:家事関連費の按分(自宅・通信・車両など)
どこが見られる?
自宅家賃・光熱水費・通信費・マイカー関連などの事業割合の根拠。
基準の要点
- 家事関連費は、取引記録に基づき業務上必要な部分を明らかに区分できる金額に限って経費になる。国税庁+2国税庁+2
防御ポイント(実務)
車両は走行距離日報や使用記録で割合を説明(ガソリン・駐車場・高速も同様)。やよい株式会社
自宅兼事務所は面積比×使用時間などで合理的按分。
4位:外注費 vs 給与の判定(“偽装外注”・源泉徴収漏れ)
どこが見られる?
実態が指揮命令下の労務提供なら給与認定→源泉徴収漏れや消費税課否の問題に波及。
基準の要点
- 源泉徴収対象の報酬・料金の範囲(弁護士・税理士・原稿料・講演料等)は明記。給与該当なら源泉必須。国税庁
防御ポイント(実務)
- 外注は成果物納品・再委託可・代替者可・時間拘束なし等の業務委託契約と実態整合を確保。
- 支払先が個人で源泉対象なら、支払調書・源泉税処理を確実に。(実務解説も参照)レガシー
5位:減価償却・少額資産・前払費用の“時期ズレ”
どこが見られる?
PC・カメラ等の一括経費計上の可否、30万円特例の合計300万円限度、前払費用の即時費用化の要件。
基準の要点
- 少額減価償却資産の特例(30万円未満・合計300万円限度等)と、その手続。国税庁
- 短期前払費用の特例は“形式だけ”では不可。原則は前払は資産計上→役務提供の期間配分。
防御ポイント(実務)
保険料や家賃の長期前払いは期間配分。サブスクの前払いも注意。実務上の留意点を社内ルールに。
「30万円未満」は本体+付随費用を含めた取得価額で判定。年間合計も管理。国税庁
追加トピック:インボイスの“少額特例”と実務影響
税込1万円未満の課税仕入れは、一定規模以下の事業者でインボイス保存なしでも帳簿保存で控除可(要件あり)。ただし帳簿記載の厳格化が前提。出張・交際の細かい支出ほど記載漏れが否認ポイントに。国税庁+1
すぐできる“防御”チェックリスト
- 交際/会議/福利厚生の線引きと1万円基準の帳簿記載はOK?(相手先・人数・日時・場所)国税庁
- 出張は命令書・目的・行程・成果メモを保存?(家族同伴分は除外)国税庁
- 家事按分は根拠式(面積・時間・距離)が説明可能?国税庁
- 外注は契約と実態が一致?源泉処理は漏れていない?国税庁
- 固定資産は30万円特例・合計300万円・期間配分の判定済み?国税庁
まとめ:否認は“内容”よりも“証拠と整合性”で起きる
経費の実体が業務関連でも、科目の誤用・証憑不備・按分根拠不足・時期ズレで否認(または一部否認)されがちです。
「帳簿(記載要件)×証憑×社内ルール」を整えるだけで、調査の指摘可能性は大幅に下げられます。
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FLOW会計事務所では、
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